本日は漫画 「屋根裏部屋の公爵夫人」の感想です。
あまり良い事を書けないと思うので、この作品がお好きな方はご注意を!
主人公はホロウェイ伯爵家のオパール。「真実ではない不名誉な噂」が社交界デビュー時に広がってしまい、社交界3年目を迎えても、オパールの縁談がまとまる事はなかった。
20歳になったら多額の資金と領地を相続できるオパールは、一人で生きていく事を視野に入れ、領地経営を学んでいた。そんな彼女の縁談が突如決まる。
相手はマクラウド公爵…マクラウド公爵家は財政難で借金が嵩んでいて、オパールは持参金と引き換えとなったのだ。
オパールの噂はマクラウド家の使用人も知っており、彼女は公爵夫人とは思えない扱いを受ける。さらにマクラウド家には彼が「天使」と称す女性が同居していたのだ。
憤慨したオパールは、自ら屋根裏にこもり、公爵家の改革に乗り出す。
というお話です。
第一巻、オパールは公爵家が抱える問題の一つは解決しようと、「ある人」の悪事を暴くため奔走します。
第二巻では「ある人」の悪事をマクラウド公爵に、報告するところから始まります。
まるまる一冊、オパールの反撃(?)です。公爵家に激震が走ります。
とはいえ、冷遇された自身の怒りに駆られたわけでも、自尊心を保つための仕返しでもありません。
オパールはただただ、公爵領で貧しい暮らしを強いられている領民の生活を、よりよくする事だけを願っているのです。
第三巻、オパールは公爵領の改革に本格的に手を付けます。
かなり非道な仕打ちをオパールから受けたといえるマクラウド公爵。それも身から出た錆です。無駄に高いプライドもあり、表向きマクラウド家にはなんの変化も無いよう装う公爵ですが、オパールの思惑通り(?)少しずつ、変わっているようです。
ちなみに「天使」はあいかわらずです。
数年が経ち、良い方向に流れているのにも関わらず、マクラウド公が大きな決断をしてくれまして…この「問題」が、またもやオパールを悩ませます。
二巻でほんの数日を描いたのとは正反対に、この巻では数年があっという間に過ぎてしまいます。
そして巻末でマクラウド公はまたしても驚くべき「決意」を語ったのです。
第四巻、これは最終巻かと思いましたがどうやら、第一章の終わり、という感じらしいです。
マクラウド公が前回、大きな「決意」を表明しましたが、これにたいしオパールもまた大きな決断をします。
それは二人にとっても、公爵家にとって最良と思える道でした。
第四巻は、少女漫画らしい「きゅんきゅん」な場面が多め。
オパールは人生の次のステージに進んでいきます。
新しい世界でも、彼女はきっと挫けることなく、まっすぐに進むのでしょう。
影ながら応援しています。
そう…影ながら…もう、続きは買わないと思うから…。
違うんですよ!面白かったの!すっごく良い漫画だと思うのですよ。
でも、期待しちゃったぶん、残念な部分が大きくなりすぎてしまったのです。
残念な点
早急に進む話
第三巻のすっとばし具合です。
これは想像ですが、オパールの人生の次のステージ(第二章)はもう用意されていて、できるだけ自然に、公爵領を見捨てる形にならないよう、さくっとマクラウド家との話を終わりにしたかったのでは?
というくらい、三巻が適当に思えちゃうのです。
一巻から二巻まで使って公爵家にメスをいれる様を、鮮やかに描いてあったのに。
オパール自身が望んでいた領地の改革は、セリフの中に埋没して、彼女が領民と共に奮闘したエピソードがありません。
マクラウド公が決断しオパールを悩ませた「問題」も、彼女自身の「問題」では無いといばそうなのですが、なんの紆余曲折も綴られることなく、肩透かしというか…。
このあたりのオパールの経営手腕的なお話が読みたかったです。
描かれない人物たち
「天使」は時々喚いてましたが、彼女を取り巻く個性的なマクラウド家の使用人たちは、ほとんど描かれることがなくがっかりです。
ネタバレになりますが、一巻二巻で丁寧に描かれた「あの人」は四巻まで、しっかり描かれています。
同じようにオパールと出会って変わった人、変わらなかった人、そのあたりをもう少し描いてほしかったです。
もちろん変わっていく様がまったくないわけでもないですが、さらっと書かれただけだったりして、寂しい…。
画力のある方なので(偉そうな言いかたですが)、小話として、マクラウド家の人々を描いてほしかったのですよ。
特に試し読みにも出てくる人たちは、気になるんですけどぉぉぉ。
季節感が無い
これね!すっごい残念です。
これは作者さんの良い点があって、それがあるから残念に感じちゃったのです。
良い点は何かというと「衣装」です。
わりと令嬢ものの漫画は、同じ服を着ていることが多い気がしますが、オパールはいろんな服を着ています。これは見てるだけでも楽しかった。
ただ、いろんな服を着るとなると、季節を感じずにはいられないじゃないですか?
さらに前にも書いたように、せっかく領地の改革の話だったので、季節ならではの問題とか…なんかそういうのがあればなぁ…と思ったのです。
スカッとものなかキュンキュンものなのか?
話の掴みは間違いなく「スカッと」ものです。若い貴族の令嬢が自身にはさほどの力の無い事を承知したうえで、財産、地位、親の権威を駆使して、難題に挑み、形勢を逆転させる様は痛快です。
もちろん合間に、乙女らしい部分も差し込まれますが。
この感じで話が進むと思いきや、三巻はほぼ状況説明。四巻に急にキュンキュン要素をぶち込んでくるという…。なんかこんなに必要ですか?ってくらい入ってる気がしました。
丁寧に描かれた良作
いろいろ文句を書いてますが、全体的には楽しいお話でした。
絵はすごく丁寧です。とくに人の表情などは素晴らしいですし、少女漫画では浮きやすい中年男性も、しっくりと描かれていると思います。
先に書いたようなオパールの服が変わるだけでなく、省略されがちな調度品や家具などの背景も、きっちり描かれています。ここが貴族の邸宅、しかも大きな屋敷なのだという事を、しっかり読者に植え付けてくれます。こういう細かいところっで漫画では大事だと思うんです。
なんだかんだで、楽しく読ませていただきました。
私が抱いたマイナス気味の感想は、多くは作画作家さんでなく、原作に由来するものですね。
原作がダメダメというわけではないんですよ。第三巻もきちんと書かれてはいると思います。ただオパールがこんな風にがんばったよ、って話が欲しかったな、って事なのです。
どうでもいい話ですが、個人的にマクラウド家のその後が気になります。
公爵は再婚しないんですかねぇ…。それで「天使」はどうなるんかなぁ…。
第二章を読んだら、風の噂で…みたいな形で公爵家のその後は知れたら良いですね。
さて、それでは、また。
私は「エルデンリング」とblenderの世界に戻ろうと思います。
エルデンね…おばあちゃんに「ゴドリックは一番弱い…」とか言われちゃいましたよ。
知ってるよ。というか察していましたけど…今後が想いやれれます。
とりあえず、何体かボスと遭遇してますが、どれも倒せてません。
大楯持てる筋力付けないとダメですかね。未だに騎士初期の盾なんですけど。
とりあえず、現在は湖あたりを探索してます。
がんばりまっす。