「本所七不思議 FILE23 パラノマサイト」をプレイして、私個人が気になった点を考察・妄想しています。ネタバレががっつり含まれますので、未プレイの方は注意してくださいね。
www.jp.square-enix.com
本所七不思議とは墨田区に本当に伝わっているお話です。
トップページ 墨田区公式ウェブサイト にて「本所七不思議」とちょこっとだけですが紹介されてます。
また他にも七不思議巡りのサイトなどもあったりするので、そちらを見るもの楽しいです。
謎?その1 「禄名簿」の内容と「呪詛珠」・根付の形
「禄名簿」には「蘇りの秘術」の術式が記されているとなってます。
しかし、それは幼い娘が聞けば「物語」であり、絵に表現できるものでした。
さらにその絵を題材に根付が作られ、おそらくはセイマンはその根付に「滓魂」を籠めたと思われます。
そうなると、この本所の騒ぎに似た「物語(に聞こえる術式)」が、起きる前から「禄名簿」に記されていたって事になるのでは。
それとも偶然にも、象徴される物(面とか拍子木とか)が同じなだけで、まったく違った「物語(に聞こえる術式)」が書かれていたとか??
案内人による『その後に残された伝説に寄せて、呪影の姿かたちが変わる』だそうなので、長い年月を経て「本所七不思議」の話が変化するとともに、「呪詛珠」である根付の見た目も変わったということでしょうか。
謎?その2 葉子はなぜ「置いてけ堀」を選んだのか
人物リストには、最も害の少なそうな「置いてけ堀」を入手した、と記載されていました。なぜ『害の少なそうな』ものを選んだのでしょう。
「呪詛珠」の行使条件は、ほぼ無差別的に使えるものと、かなり厳しいものとがあります。強力な「呪詛珠」を入手した別の呪主が襲ってくるかもしれないので、普通なら最も強力な「呪詛珠」を手に入れたいところでしょう。
「本所七不思議」を入念に調べたであろう葉子でも、さすがに行使条件までは、予想しかできないと思われます。
なので、『害』とは「呪詛珠」の力の事では無いのでは?考えてみました。
葉子はアシノの子孫です。彼女は自分に流れるアシノの血に「呪詛珠」の怨みが反応するかもしれない、と危惧したのではないでしょうか。
「置いてけ堀」の怨みの主は、アシノの事は知らないまま亡くなった子供なので、『害が少なそう』と判断したのかもしれません。
謎?その3 葉子はなぜ「足洗い屋敷」を選ばなかったのか
前述のとおり「置いてけ堀」が安全牌だとしても、アシノの滓魂が籠められた「足洗い屋敷」は手にしたい、と思わなかったのでしょうか。
本来なら「足洗い屋敷」を取りに行きたいけれど、「霊夜祭」の時に興家を野放しにはできません。しっかり監視下に置くには同行するのが一番です。
しかし、セイマンの子孫と一緒にいる時に、アシノの滓魂が籠った「呪詛珠」を入手するのも危険です。
葉子自身が「足洗い屋敷」を取得するのは、断念し、南割下水付近には、新石が出向くように仕向けたのではないでしょうか。
残念ながら「霊夜祭」の時、南割下水には新石より強く「死者の蘇り」を願った並垣がいて、「足洗い屋敷」は彼の手に落ちてしまいましたが。
代わりに新石は「消えずの行灯」を得ることになったとか??考えずぎかなぁ。
謎?その4 興家の死と「送り提灯」
セイマンは「蘇りの秘術」が発動した時のために、「禄名簿・陰の書」に「解除の術」に必要なものを記していました。魂・現身・精神です。
つまりは、呪影「送り提灯」・子孫(興家)・セイマン自身=プレーヤーでした。
秘術が発動すれば、興家はどこにいても「送り提灯」を入手し、セイマンに憑かれる運命だったという事ででょうか、大変だわー。
興家一回目死亡(?)※実際はこの回で数回興家は死亡しますがそれはノーカウント
無意識のうちに「送り提灯」の呪詛行使をしたセイマン(プレーヤー)でしたが、まだ覚醒はしてなかったために、現身である興家の意識に引きずられ、新たに得た「置いてけ堀」を使用して、滓魂を集めだしちゃいます。
そうだね。興家君、君はなにか憑いてたね。
が、たまりきったところで興家に異変が…。
おそらくセイマンはどの「呪詛珠」にも、滓魂をが充分にたまったら、秘術発動時に戻る仕掛けもしたのではないでしょうか。滓魂を集めた後の興家は死んだのではなく、時間を戻されたのだと思います。
あの俯瞰のショットはセイマンが興家から離れていく演出?
興家二回目死亡
一回目でいろいろ学んだセイマンですが、まだ記憶は戻っていません。
このルートでは、葉子を正気に戻して家に帰した後、彼は死んでしまいました。
興家の死因は「不審死」で、墨田区における連続変死事件に関連するとされました。
ということは、興家と別れた葉子が、吉見刑事と同じ方法で呪殺したことになるのでは?
「送り提灯」は「呪詛珠」による呪詛返しにか効かないってことでしょうか。
恐るべし葉子!
この葉子生存・興家死亡ルートで、世間にどんな惨事が起きたかは不明ですが、葉子か誰かの「呪詛珠」に滓魂がたまり、秘術発動時に時間は戻されたのではと思います。
とんでもないチートですね。アシノは負け確ってことです。
興家三回目死亡
興家が二回死亡してもセイマンが記憶を取り戻さないので、案内人は別の呪主にセイマンがとり憑くよう手配します。これがストーリーチャート解放です。
このルートの興家にはセイマンが憑いていおらず、呪影も現れないので、あえなく葉子に「置いてけ堀」で呪殺されちゃいますね。公園で発見された彼の死因は「溺死」でした。
この時の「送り提灯」は蝶澤に憑いてました。
日中に春恵たちが「送り提灯」の鬼火を見たのは、春恵に憑いてるセイマンに釣られてふらりと出てきた…ところで呪主の蝶澤が目覚めたので戻った、という感じなのでしょうか。
何度もやり直しをさせられた興家くん。お疲れでさまです。
今後はセイマンの精神が融合して生きていくのでしょうか?
霊力におぼれず幸せになってほしいですね。
謎?その5 約子とミヲが遭遇した呪主
これはもちろん根島/葦宮ですが、約子に呪詛を行使したのに失敗してます。
約子の中には「白石美千代」がいたからでしょうか。
根島の呪詛はで、一時的に約子から美千代を引き離したのかな?
ミヲは転校生だったので、まだ根島がしっかりと顔と名前を記憶しておらず、呪詛の対象者にはできなかった。
その後、知らない事とは言え、約子が葦宮に名前を教えたルートでは残酷な死を迎えてしまいました。
約子がミヲについて触れなかった場合、約子を呪殺すると『妙な抵抗をした学生』に自分が怪しまれてしまうので、見逃したのだと思います。
2人とも、助かってよかったですね。夜中にうろうろしたらだめですよ。
謎?その6 津詰刑事の「呪詛珠」取得
「呪詛珠」は「蘇りの秘術」を求めたことで手に入ります。
それぞれいろんな事情がありますが、津詰の『「蘇りの秘術」を求める拠ん所ない事情』ってなんでしょうね。
「死者を蘇らせたい」とか絶対思わなそうですし。セイマンと同じようにそういった危険なものを、無くしていきたい思いが強かったのかなぁ、と感じてます。
そういう意味では「蘇りの秘術」に執着する人の事情が多様でしたね。
新石のような秘術の実効性には関心のない人もいれば、根島のように結果より殺戮の過程に惹かれているとか。
なかなか深いゲームです。
謎?その7 灯野あやめ
灯野あやめの実の父は根島/葦宮となっています。
しかし根島は「篠(葦宮の死んだ妻)が転生した赤子」と思っているようです。
それが事実かはいったん置いといて、あまりに自己中心的ですが、根島の主張も理解できます。
根島が愛したのは篠という大人の女性です。目の前の赤子を育てたところで、自分を愛してくれた篠とは別人になってしまうのですから。逆に篠として育てようとする方が気持ち悪いです。まあ、かといって赤子を放置するのはありえないですけどね。
ただ黒魔術の定番では復活するのは死者ではなく「悪魔」なんですよね。
たとえその赤子が本当に根島と篠の子供であっても、魔術を行った時点で赤子の中身は「悪魔」です。そう思うとあやめのあの冷酷さが…怖い。
あやめが根島と何を語ったのかは不明ですが、条件を踏んだという事は、根島は「あやめに隠し事をして、それが発覚した」ってことですよね。
津詰の悪口で盛り上がったらしいので、案外なんでもない津詰ネタで条件踏んだのかもしれない。
春恵とのやりとりを見ると駆け引きはうまそうなので、根島をはめてぼろを出させたのじゃないでしょうか。その中で、出生の秘密にあたりがついたってことかなぁ。
「真エンド」でもあやめの罪は消せないので、津詰刑事の今後は大変そうです。
謎?その8 FILE23とは
タイトルにはFILE23とあります。普通に考えるとこれはファイルナンバーになるでしょう。だとすると1~22が存在するということになりますね。
さらに23といと「東京23区」を連想します。ナンバー1~22は墨田区以外の怪奇事件がファイリングされているのでは?と妄想しちゃいます。
実は東京には他にも「七不思議」があるみたいなんです。
「八丁堀七不思議」「馬喰町七不思議」とか…。
www.juken-net.com
上記はTOKYO @ 14区 | 東京の暮らしや不動産に関するWEBサイト 内の記事です。
「本所七不思議」と被るお話もありますが、もし「パラノマサイト」の続編があるとしたら、「八丁堀七不思議」なんて面白そうです。
時代も江戸で津詰が与力、襟尾が同心で、蝶澤は人気の芸者、約子はお茶屋の看板娘…。妄想がはかどります。
主人公がたどった物語
津詰に「呪詛珠」を預けなかった呪主が、死者を復活させたエンディングがあります。それは確かにひとつの物語ではありますが、これは案内人がセイマンに記憶を取り戻させるための趣向(という表現は違うかもしれないが)だと思われます。
無かったことになった物語の中には、約子たちの友情、津詰の娘への思い、春恵の立ち直りなど、主人公たちの今後に大きく影響する出来事がありました。
その全てが無かったことになるのは、寂しいというか、なんとも言えない気持ちになります。
けれど、なんとなくですが、本当に何の根拠も無いのですが、セイマンが周回して記憶を取り戻したように、彼らの中に何かしら残っているのでは…と思う、思いたい。
あの物語を経た後だからこそ、約子や春恵は現実を受け止められ、津詰もあやめと向き合えるようになるのでは…そう願いたいです。
「本所七不思議 FILE23 パラノマサイト」ちょっと残念な点
久々に楽しいシナリオ選択ゲームでした!
このタイプのゲームは一周目でも、不必要な会話(ややエロ発想系の)がだるいのがあるのですが、これはそっち系はほぼなしでした。津詰のおじさんがボケてたけど、それは面白かったです。
会話がとばせない
一周目は読むのに苦痛はありませんが、何回かやりなおしたり、ちょっと見返したい時などは、やはりやや面倒だったので、もうちょっと会話が飛ばせたら良いのに、と思いました。
地図が見たい
主人公が移動する時以外は地図は見られません。さらにそのキャラが行く必要のない場所は表示もされません。プレイには支障は全く無いのですが、資料として「本所七不思議」が一覧できる地図が見たかったです。
この他にもいくつか他のキャラなら行ける場所がある
エンディングリスト
取得できるエンディングリストがほしい。あ、全部見られたんだな~と、まあそう確信したいだけでなのですけどね。
まとめ
いろいろと個人的な感想・考察・妄想を書き散らしました。
何度かプレイしなおしたり、資料を読み直したりして、すごくよく作られてるな~って感動しました。
一番は、セイマンが根付に滓魂を込めた時は、「法具」としていたことです。
長い年月に「死者を蘇らせる」という人の浅ましい欲望が、法具を「呪詛珠」に変えてしまったのでしょうか…。
こんなにネタバレしておいてあれですが、面白いゲームなので、プレイする気が無くてここまでお付き合いくださった方でも、チャレンジしてみてくださいね。
「呪詛珠」の能力
「置いてけ堀」
自身の目の前から立ち去るものを 溺死させる
錦糸堀公園
「馬鹿囃子」
自身の姿を見られずに呪影(じゅえい)の発するお囃子の音を30秒間、聞き続けた相手を 転落死させる
駒形高校
「送り提灯」
呪主となった者を 当人の持つ呪いの死に方によって 死亡させる
法恩寺近く
「送り拍子木」
火、もしくは発火器具を持っているものを 焼死させる
撞木橋付近=志岐間邸?
「落葉なき椎」
自身に対し 虚偽の発言で欺いたものを縊死させる
旧安田庭園
「津軽の太鼓」
自身に対する隠し事が発覚した者を 殴打死させる
緑町公園
「足洗い屋敷」
呪影の発する「足を洗え!」という声を聞いた者を踏みつぶし圧死させる
南割下水亀沢付近
「片葉の葦」
その時点の 顔・住所・氏名・年齢・職業・所在地のすべてを知る相手の 手足を切断して失血死させる。
両国橋
「消えずの行灯」
呪影の発する暗闇の中に閉じ込めた相手を 割腹死させる
南割下水