ヘレディタリー/継承 難解というか不快というか…。

 

こんにちは。今回は「ヘレディタリー継承」について語ります。

うーん。正直に言うと胸が悪くなる映画なんですけどね。

これはホラーなんでしょうか…と個人的には思ってます。

怖いというか不快かなぁ…と。

ちょこっとネタバレありです。

 

 

 

主演のトニ・コレットはあの衝撃シーン以外も怪演です。

彼女の演技力が無ければ成立しない映画だと言っても良いくらい。

継承

 

あらすじ

ドールハウス作家・アニーの母、エレンが亡くなった。母親と確執があったアニーはその死を悲しむことは無かった。が、母の死後から家に不思議な現象が起こりだし、夫や子供たちとの関係も軋んでいく。やがて悲劇がおこり、家族は崩壊、さらなる恐怖に襲われる。

 

 

 

母親の狂気

アニーは母の死後、愛する人を亡くした人が集うグループカウンセリングに参加します。アニーがやや神経質であることは、ここにくるまでに感じ取れますが、母のエレンや亡くなった父、兄も精神病であったことが明かされます。

 

 

悪魔召喚

 

アニーの母、エレン・グラハムは悪魔の崇拝者でした。「悪魔」の召喚を願ってたのです。幸か不幸か…「器」を失ってしまったので、それは果たされなかった。

けれども、エレンは諦めてはいなかったのですね。

 

 

 

 

 

家族の精神疾患

 

精神疾患は遺伝する」とは明言されていません。が、そう思われている傾向はあります。

アニーも、母エレンは解離性同一性障害、父は妄想性のうつ病で餓死、兄は統合失調症で自殺。心身に問題が無かったとしても、何も悩まずに大人になるには難しい環境です。実際アニーは夢遊病を発症しています。

母の死後いろいろな事が起きて、アニーは感情の起伏が激しくなり、精神的に不安定な言動が増えてきます。

 

娘・チャーリーは「泣かない赤ちゃん」「コッという音を鳴らす癖」「人づきあいが苦手」など、発達障害を思わせる描写がありました。

 

息子・ピーターは特には何も無いけど、個性的過ぎる祖母、神経質な母に囲まれて育った事を考えると、むしろ良い子なんじゃないですかね…チャーリーの面倒も、日常的に任せられていたように感じます。

ですが、ある事件をきっかけに、少しずつ病んでしまうのですね。

 

父親は決して家族に無関心では無く、異常性が増していく妻の相手に手を焼いていました。アニーの異変も、ちゃんと誰かに相談をするつもりでもいたんです。チャーリーにもピーターにも心を配っていたと思うんですよ、母親よりも。

ただ、あまりに事の流れが早く、間に合わなかったんだろうなぁ。

 

 

 

受け継がれるもの

 

グラハム家が継承したのは「悪魔」なのか「精神疾患」なのか…。それは映画を観た人の感じ方によって変わるでしょう。

彼らが受け継ぐ運命から、逃れられる術はあったのか…。

 

例えば、親の経済力が子供の学力に比例する、という格差もあげられます。

また、その土地に生まれただけで、否が応にも受け継ぐものもあるのでしょう。それは民族特有の遺伝子だけでなく、文化や風俗や歴史など多岐にわたります。そういった「継承」されていくものは、ある人には「栄誉」な事でも、他の人には「悪」でしかない場合もある。

多くの「継承」されたものは、まるで「見えざる何かの手」で構築される「ドールハウス」のように、自らがあずかり知らぬところで、設定されてしまう。

そして、それは中の人には重大でも、外側ではどうでもいい事なのだ…。

 

なんて、思ったのですが。

一緒に見てた人は「普通に悪魔映画じゃないの?」と言ってたましたけども。

 

 

 

 

悪魔はいるけど怖くない

 

悪魔か精神的な病か…と書くと、悪魔が関係ない映画みたいですが、もちろん「悪魔」はいます。

というか「悪魔」を信じている人が、グラハム家にしっかりと関わってきます。

 

不可解な紋章、謎の言葉、奇妙な光…アニーたちは確かに、少しずつ輪を狭められるように、彼らの手中に落ちていく…。

あれ?やっぱりホラーなのかな。

 

ホラーとしてはグロテスクな表現が多く、怖いといえば怖いです。

ただ「悪魔映画」としては凄みに欠け、人間の深層心理を追い詰める映画としては、ビックリシーンに恐怖部分を担わせすぎかなぁ…と。

 

 

 

 

演技はすごい

 

初めにも書きましたが、とにかくトニ・コレットの演技が凄いです。もちろん他の役者さんも素晴らしいですけども。彼女の怪演を見るだけでも、楽しいかもしれないです。

 

 

そんなわけで、私はちょっと不快だった「ヘレディタリー/継承」ですが、後半は笑える方もいる(実は私も笑いました)という…なかなか面白いタイプの映画でした。

 

 

 

 

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