母と娘 真綿の檻 

 

またまた放置してしまいました。

相変わらず、ブレンダーと格闘しています。

いやー3DCG、難しいです。

 

さて、今日はブレンダーではなく、漫画です。

頻繁に広告に載ってくるので、試し読みしてみたところ、先が気になったので購入した作品です。

 

 

「真綿の檻」です。短い作品で、一話120円くらいで三話で終了です。

主人公は榛花。旦那の一広と還暦に近い両親、弟夫婦が主な登場人物。

 

 

 

尾崎衣良さんといと「深夜のダメ恋図鑑」が代表作なのでしょうか?

表紙の「ソイツの土下座にどれほどの価値が…。」は名言ですよね。

途中までは読んだのですが、こちらも終了したら読もうかなー。

 

女の子が可愛いですよね。なんというか今時??な感じです。

私が読んだ作品では、主役級の女の子はみんな、オシャレも仕事もばっちりだったです。ちょっと冴えない子が主役とかもあるんですかね。

でも、主人公補正!というより、しっかり自力で努力した優秀女子なので、見てて可愛らしいな~と素直に思えます。

 

ダメ恋の登場人物と比べると、榛香は地味で大人しそうな女性。

実際、義妹にも漫画開始早々「気が弱そう」と評価されてます。

 

そう、このお話、主人公は榛香ですが、語り手は榛香の周囲の人なんですね。

語り手の視点が変わることで、同じ事柄なのに、それぞれが全く違う捉えられ方をしてる、というのが面白いのです。

 

 

 

義妹に続いて、榛香の夫、最後は榛香の母で物語は終了です。

弟も父も加わらないという…。三話読んでいただければ、尾崎さんがなぜ義妹を語り手に選んだか、じわっと伝わってくると思います。

 

余計なことですが、この義妹さんの今後が気になってしまった。

同じ穴の狢ならいいんですけど、いつか旦那(榛香の弟)が姉を慕う理由に気づいたら…。うん、早く気付いたほうがいいよ。

 

 

 

母と娘の確執、と言えばそういうお話ですが、そこまで重くなく「毒親」というほどではない…と私は思いました。

子供にとって親というのは良くも悪くも「絶対的存在」で、私が榛香母娘を「どこにでもいそうな母娘」と思ったのは、そう判断する人間に育てられたからでして。

 

榛香自身もそれは理解しているようですが、親と違う生き方をするべくどんなに努力をしていても、結局は基本的な部分で親の影響からは抜け出せないんですよね。

そうは言いつつも、榛香が努力して得た今の幸せに対して、最後に母の心に浮かんだ感情は、個人的にはひっかかるものがありました。

なんだけれども、確かにこの家庭、この親に育てられたからこそ…というのも確かですしねー。

いやー。なんというか、読んでください、って感じです。

 

 

 

 

 

「母娘」というと、私的には萩尾望都さんと山岸涼子さんですよ。

その中で「姉と弟」で思い出すのは「午後の日射し」です。

イグアナの娘」に収録されています。

 

主人公は専業主婦の賞子(42) 夫の「夫婦なんて結局他人」という一言で、心が揺れ動いて…というお話です。

賞子には予備校生(と記憶している19歳)の娘と、高校生の息子がいるんですね。

夫の言葉や高校時代の友人たちの騒動、目の前にいる自分の娘から「もう若くない」という現実を突きつけられる賞子。

その心の動きが主体ですが、賞子の当たり前のような子供たちへの言動が、「女はこういうもの」という感じなのですね。娘もしっかり抵抗していますが。

あーこうやって、女児と男児は親も無意識(?)で差を付けられるんだなーと思いました。

 

 

 

 

 

賞子はほぼ無意識のようですが、こちらの母はもっとあからさまです。

山岸凉子さんの「鬼子母神」です。

主人公の瑞樹は二卵性の双子である優秀な兄がいます。

兄は「王子」父は「表札」母は「観音様」 そして自分は「悪魔」

母の望み通りに成長する兄は、瑞樹にとって王子だった。不器用で学力も低く母の期待を裏切る自分は「悪魔」でしかない。

そんな自分を育ててくれる母は、慈悲深い「観音様」

父に至っては影が薄く「表札」でしかなかったのですね。

 

大人に近づいていくごとに、家族の本当の姿が見えてくる瑞樹。

榛香とは違う過程を経て自立していきます。

うんうん、頑張ったねぇ(←おばちゃん視点)

 

 

でもね…結局、子供って親を見放せないんですよね。

って思えるのも、榛香が最後に母に告げた言葉も、そう思えるような親に育てられたから…なんでしょうかねぇ…。

親と絶縁状態とか、顔も見たくない、という方もいらっしゃれば、友人のように仲が良い、なんて方もいますからね。

 

育った環境って重要です。

物事の判断の基準に、否が応でも影響します。

「女は、男はこうであるべき」という世間の常識は、変貌しながらも世代を超えて受け継がれ、子供たちをじわじわと締め付けていく。

それは確かに「真綿の檻」なのかもしれませんね。

 

 

 

真綿の檻



 

 

尾崎衣良さんの「真綿の檻」

良い作品ですので、ご興味のある方はぜひ、読んでみてくださいね。

 

 

 

 

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